2008年11月23日

紅茶専門店Anna Maria店主のお茶の履歴書 ―― 日々、お茶と共に ――    シンガポール時代(2) -中国茶のこと -

目 次

第1回 中国料理を通して ―中国茶との出会い―

第2回 主婦の憩いの時間に ―お茶はいつも正しく淹れて―

第3回 UVA そして DIMBULA

第4回 インド料理を通して ―スパイス入門―

第5回 園芸と農業(1) ―一人だけのティータイム―

第6回 園芸と農業(2) ―岐路 もしかしたらガーディナー

第7回 シンガポール時代(1)  ―料理のこと―

     第8回 シンガポール時代(2) ―紅茶のこと―

 第9回 シンガポール時代(3) ―中国茶のこと―

  第10回 ウバの正体を知る

第11回    静岡の緑茶と静岡の紅茶について

第12回 米国フィラデルフィア美術館 ―茶室「寸暇楽庵」見学― 

第13回 本物のインド紅茶との出会い ―ダージリンの奥深さを知る―

第14回 本物のスリランカ紅茶との出会い ― とうとうゲット 最高のウバ

第15回 ロンドン研修 The Lanesboroughでの7日間

第16回 登録商標「紅茶専門店Anna Maria ―名前の由来―

第17回  終わりに 垣間見た歴史 ―紅茶を通して―

 

シンガポール在住中色々な中国茶を飲んでみました。 最終的に常飲するようになったお茶は、夫がチャイナタウンで勧められて買ってきた中国茶でした。 このお茶の水色は薄い茶系の赤で、淡い特徴的な香りと花の香りが立ち、とても飲みやすく、のどが渇くといくらでも飲めました。 夫がチャイナタウンへ、そのお茶を買いに行っても品切れの時がよくあり、必ずしも手に入るわけではありませんでした。 高級な中国茶ほどよく品切れになっていました。 華人の中には当然私などより中国茶に詳しい人がいるはずで、お茶の通が買いに来るようでした。

 

そのお茶は缶や箱に入っているわけではないのですが、防湿紙でライニングされた白っぽいわら半紙のような紙に包まれているだけなのに直方体の箱型を保ち、朱でその茶名を押印されていました。 公司の名も押印されていたかもしれませんが、そのような気がするだけではっきりと覚えていません。 年月を経るにつれて、シンガポールではこの中国茶が品切れになる頻度が高くなって来ました。 恐らく中国で経済成長が高まるにつれて、国内での購買力が上がり、輸出用に回らなくなったのだと思うのです。 そのうちに全く手に入らなくなってしまいました。

 

そのお茶は烏龍茶の一種で名前を大紅袍というのですが、その木は中国国内に数本しか残っていないそうで、一般市場に流通している茶葉はその木の接木から摘まれた物ということをつい最近知りました。  私がかつて飲んでいたあのお茶は原木のものだったのか接木のものだったのか今となっては知る由もありませんが、原木から摘まれたお茶がオークションでとても信じられない値段で取引されたことを聞いたことがあるのですが、聞き間違いだったかもしれません。 私はお茶を目的としていたのではなく、ましてやHPを持ち、私とお茶とのかかわりについて説明することなど思ったこともなかったので、このお茶について何か書き留めたものも無く、大変あいまいな表現で申し訳ありません。 あのお茶は私にとっては幻の中国茶となってしまいましたが、中国料理を作った時などはあのお茶を飲みたいと思う気持ちは変わりません。

 

特上のお茶には、はっきりとしたその茶葉だけの固有の味や香りが際立つものと、味や香りは強くないものの、体がいくらでもそのお茶を受け入れられ、且つ、飲むと体調の良くなる種類のものがあるということを体験したのはこの時でした。 この事実は、紅茶を仕入れるときの私の紅茶に対する尺度となっています。

 

つい最近、日本の大手飲料メーカーがそのお茶を売り出していたので、買い求めて見ました。 確かにその香りは、私がシンガポール在住時にも、帰国してからしばらくの間も日常的に飲んでいたあのお茶のものでした。 馥郁たる香は心地よく、味わいは滑らかで当時もそうだったように、いくらでも喉を通るのでした。  ですが、色に関してはあの時に飲んでいたお茶の水色は、大紅袍の名にふさわしい茶色がかった赤だったと思います。 そして、もう少し詳しく言うと、私が飲んでいた大紅袍は岩のりのような特徴的な香りがあったように思えます。 又、茶葉はもっとしっかり撚られていて重量感がありました。

 

 

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